☆ アフリカゾウの保護と象牙の持続可能な利用のために ☆

(説明文)

1.はじめに
 アフリカゾウは、多くの生息国についてはワシントン条約の附属書Ⅰ(商業目的の取引は禁止)に掲載されていますが、南部アフリカ4カ国(ボツワナ、ナミビア、南アフリカ及びジンバブエ)に生息するゾウは、絶滅のおそれがないため附属書Ⅱ(許可制で商業取引が認められる)に掲載されています。
 この4カ国ではゾウの保護管理が行き届いており、合わせて20万頭を越えるまでに個体数が増加しています。これらの国は、自然死亡や農作物を荒らす個体の駆除などから生じる象牙を取引して、その収益を野生生物の保護やゾウと共存する人々の生活向上にあてたいと強く望んでいます。このような事情が理解され、1997年の第10回と2002年の第12回ワシントン条約締約国会議において、条件付きながら象牙の商業取引が認められました(注1)。

 注1:第10回会議ではボツワナ、ナミビア、ジンバブエの3カ国、第12回会議ではボツワナ、ナミビア、南アフリカの取引が承認されました。

2.商業取引の条件商業取引が認められる主な条件は、以下のようなもので、象牙を輸出しようとする国(輸出国)及び輸入しようとする国(輸入国)の双方に課せられ、ワシントン条約常設委員会によってこれらの条件を満たしていると承認された国だけが国際取引に参加できます。これらの条件は、ゾウの密猟や象牙の違法取引を防止するために必要と考えられたものです。
 <輸出国の条件>
① 政府は、取引用の在庫象牙をすべて登録して番号を付与し、それを適正に管理する。
② アフリカゾウの違法捕殺監視プログラムを実施し、違法捕殺の状況を国際機関(ワシントン条約事務局)に報告する。
③ 取引の収益は、アフリカゾウの保護並びにゾウの生息域又は隣接する地域社会の開発計画に使用される。
 <輸入国の条件>
① 象牙の国内取引を適正に管理する。
② 象牙(未加工品、半加工品及び製品)を扱う全事業者を登録する。
③ 象牙の取引を記録する。
④ 再輸出の禁止(注2)

 注2:一度輸入された象牙は、商業的な取引ばかりでなく、おみやげ品等の個人的な利用であっても再輸出ができません。従って、我が国は、我が国を旅行する外国人向けに、おみやげとして母国に持ち帰れない旨記載したパンフレットを作成し象牙の取引事業者に配布致しました。

3.我が国の対応輸入国に課せられた上記の条件を満たすために、我が国は「種の保存法」で次のような制度を導入しています。
① 象牙(全形を保持したものに限る)を登録する。
② 象牙(①以外の未加工品、半加工品及び製品)を取引する製造事業者、卸売事業者及び小売事業者(注3)等(特定国際種事業者)は、環境省及び経済省へ届出る。
③ 届出を行った事業者(特定国際種事業者)は、取引の結果及び在庫量を記載台帳に記入し保存する。

 注3:これまでは、卸売及び小売事業者は印章を取引する事業者だけが対象でしたが、輸入国の条件を完全に満たすために平成16年7月2日に政令を改正し、象牙を取引するすべての卸売事業者及び小売事業者を規制対象としました。

4.事業者が対応する意義事業者が、「種の保存法」で定められた義務(事業者届出、取引記載台帳への記入等)を果たすことにより、我が国が将来にわたって象牙を輸入することが可能になります。また、象牙の取引から得られる収益は、生息国におけるアフリカゾウの保護管理やゾウと共存する地域の人々の生活改善等に役立てられます。

上記に基づき、当ショップでは、象牙を取り扱うために経済産業省へ象牙取り扱い事業者として届出いたしました。

特定国際種事業者 事業者番号 A-354